花嫁の孤独
あのホイットが、ついに身を固めることにしたんだわ。
独身生活を謳歌していた、テキサス一のプレイボーイが。
そう悟って、イーディは激しく胸が痛んだ。
彼は身近にいる平凡な女には目もくれなかったけれど、私はホイットをずっと愛し続けてきた。
この思いを永遠に封じ込めなくてはならないなんて。
ところが、ホイットは思いもよらない言葉を口にした。
「僕が結婚したい女性は君なんだよ」イーディの心は天まで舞い上がった――すぐさま無残に打ち砕かれ、絶望の淵に沈むとも知らずに。
恋もキャリアも失って茫然としたまま、ジュリエットはなんとか故郷にたどりついた。
ずっと抜け殻のように暮らしているわけにはいかない。
少しずつでも前に進まなければ。
そう思いはじめた矢先、彼女は意外な人物と再会した。
グレガー――あの白馬の騎士!彼は昔、いじめられっ子だった私を救ってくれた。
けれどある日突然、町から姿を消してしまった。
いつ戻ってきたのだろう? あのときいったいなにがあったの?闇に埋もれていたジュリエットの心が、静かに息を吹き返した。
都会の片隅でひっそりと開く小さなスナック“Blue Sky”。
そこを切り盛りするママ・愛子はバツイチ。
その上海子と森生、二人の子供を抱えて生活している。
仕事の顔と母の顔を使い分けながら懸命に生きる愛子。
そしてアルバイトとして“Blue Sky”にやってきた、一郎との恋。
常に「世間の目」と戦いながらも、女として、母として悩み生きる女の姿をみずみずしく、繊細なタッチで描く。
一郎が家族の一員として一緒に暮らすことになった。
そして、一郎は愛子のことを報告するため実家の北海道に帰省する。
しかし愛子はいつまでも、二人を見る世間の目を冷ややかに感じてしまうのだった。
そして5年が経過――周囲も少しずつ変化し、海子と森生も思春期へと差し掛かる。
子育て、恋、仕事…。
離婚後の女性の生き方や抱える悩みを、リアルに描いた作品。
父の再婚で同い年のアントワーヌと兄弟になったティム。
幸福なはずの新生活の始まり…なのにどこかぎこちない。
愛されようとすればするほど、アントワーヌと母の心の溝は深まっていく。
ふたりの間にはどんな過去があったのだろうか? 哀しい心のすれ違いを知ったティムは、何とかしてふたりの橋渡しをしようとするが…。
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