ウェールズの辺境に立つロークレア城の女主人ジリアンは、怒りと悲しみに打ちのめされながら、父の墓を見つめていた。
父の死以来、侵略者の襲撃に脅かされる毎日が続いている。
愛する婚約者ラナルフも、4年前に姿を消してしまったきり。
そして今日、ジリアンは父が隠していた結婚誓約書を見つけた。
そこには身も心も捧げたラナルフの署名はなく、彼の冷たい拒絶の言葉だけが記されていたのだった。
だが数日後に到着した王の使者の一行を見て、彼女は目を疑った。
ラナルフ! いったいなぜ、見捨てた私の前に再び現れたの?25歳の誕生日を迎えて、モリーは深いため息をついた。
幼なじみのリアムに恋して、いったい何年たったのかしら。
地味で野暮ったい図書館司書の私を、彼は“親友”と呼び、女性として見てはくれない。
あきらめようとしても、彼への思いは募る一方……。
悩んだあげく、モリーはついに大きな決断をした。
消極的な自分とは、今日かぎりでさよならしよう。
髪型も服装も変え、リアム好みの華やかな女に変身して、なんとか彼を振り向かせるのよ!クリスマスも近いというのに、スーザンの心は重かった。
身勝手なボーイフレンドに手ひどく振られて、はや半年。
出会いを運ぶ天使は、私を見捨ててしまったらしい。
いよいよつきに見放されたのか、今度は浴室で水漏れが起きた。
やりきれない思いで便利屋に電話をかけたスーザンだが、戸口に颯爽と現れたグレッグを見て、急に心臓が跳ねあがった。
たくましくてセクシーで、知的な瞳を輝かせた男性。
彼みたいな人が部屋に来て、ときめかない女なんていないわ! 思いきって誘ってみようかしら……聖夜に起こる奇跡を信じて。
ごく平凡な主婦だったジュリアの生活は、夫エヴァンが出張先のコロンビアで拉致されて一変した。
遅々として進まない解放交渉、初めて知る異国の厳しい現実。
孤独と恐怖に打ちひしがれながらも、ジュリアはエヴァンの救出のために人生のすべてを懸ける。
だがその努力もむなしく月日は流れ、ある朝ついに、彼の遺体が見つかったという悲報が。
それでもジュリアは、愛する夫へのラブレターをひっそりと綴り続けた。
やがて訪れる奇跡を固く信じて……。
“あなたを永遠に愛しているわ。
私の声が聞こえる?”読む者を癒し、勇気とパワーを与える、清らかな愛と涙の物語。
領主ニコラス・ド・レーシの胸は怒りにたぎっていた。
八つ裂きにしても飽き足らない恨みのあるヘクサム男爵をあろうことか妹の夫に先に討ち取られてしまい、憎しみのはけ口がない。
悶々としていたある日、国王から急使が遣わされた。
ヘクサムの唯一の後継者である彼の姪ジリアンを妻にせよという。
なんという幸運! 憎い男の血を引く者がまだ残っていたのだ! ニコラスは時をおかず、娘が長く暮らしていた尼僧院を訪れ、復讐の夢想にゆがんだ笑みを浮かべつつ、花嫁を城へ連れ帰った。
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